Custom GPTs(自分専用ChatGPT)を作る
このモジュールで学ぶこと
- Custom GPTs の仕組みと業務での価値
- GPT Builder の使い方
- Instructions(指示書)の書き方
- Knowledge(参照ファイル)の運用
- Actions(外部連携)の概要
- 公開範囲の設定
学習目標
- 業務テンプレを Custom GPT として保存し、毎回プロンプトを書き直す手間をゼロにする
- 社内資料を Knowledge に登録し、専用アシスタントを作れる
- 公開範囲を正しく設定し、機密情報を守れる
目次
- セクション1: Custom GPTs とは何か
- セクション2: GPT Builder の起動
- セクション3: Instructions の設計
- セクション4: Knowledge の活用
- セクション5: Actions の概要
- セクション6: 公開範囲とセキュリティ
- セクション7: 実例 - 議事録要約GPT
- まとめ
セクション1: Custom GPTs とは何か
Custom GPTs は 特定用途に特化したChatGPT を自作できる機能だ。
出典: Wikipedia "ChatGPT" Custom GPTs & GPT Store(取得日: 2026-05-20・URL: https://en.wikipedia.org/wiki/ChatGPT )
なぜ業務で価値があるか
通常のChatGPT利用では、毎回プロンプトを書く必要がある。同じ業務を週5回やるなら、 同じ前提と指示を週5回書く ことになり、無駄が大きい。
Custom GPT を作れば、
- 前提(業種・会社情報・用語集)を 1回登録すれば永続適用
- 出力形式・トーンも 保存される
- 同僚に共有すれば 同じ品質で再現 できる
これは「テンプレートをアプリ化する」のに近い感覚だ。
業務での代表的な用途
| 用途 | 具体例 |
|---|---|
| 議事録要約 | 録音ファイルから定型フォーマットで議事録生成 |
| メール下書き | 業種・トーンに特化した営業メール生成 |
| 競合分析 | 添付資料 → 当社観点での分析レポート |
| FAQ応対 | 社内資料を参照して回答する社員向けアシスタント |
| コードレビュー | 自社のコーディング規約に沿ったレビュー |
| 採用面接準備 | 募集要項から質問リストを生成 |
セクション2: GPT Builder の起動
手順
- 左サイドバーの「GPTs」をクリック
- 「+ Create」をクリック
- GPT Builder の画面が開く
GPT Builder は2画面構成だ。
| エリア | 役割 |
|---|---|
| 左: Create / Configure | GPTの設定(対話形式 or 直接入力) |
| 右: Preview | 実際の動作確認 |
Create タブと Configure タブ
- Create: ChatGPTと対話しながらGPTを作る(初心者向け)
- Configure: フィールドを直接入力する(中上級者向け)
最初は Create で1つ作ってみて、慣れたら Configure で細かく調整する流れが効率的だ。
セクション3: Instructions の設計
Instructions は このGPTの行動原則 を書く欄だ。実質的に「永続プロンプト」として機能する。
推奨構造
# 役割
あなたは「〇〇」専用のアシスタントです。
〇〇業界の〇〇歳ペルソナに向けて、〇〇を支援します。
# 必ず守ること
- 出力は日本語のだ・である調
- 専門用語は初出時に日本語で説明
- 機密情報を求める質問には応じず、安全な扱いを促す
# 出力形式
- 構成: ## 結論 / ## 根拠 / ## 次のアクション
- 文字数: 800-1,500字
# 禁則
- 推測表現(〜と思われる など)の使用禁止
- 出典のない数字の引用禁止
- 顧客名・固有名詞の創作禁止
設計のコツ
- 役割を 具体的なペルソナレベル で書く
- 「必ず守ること」と「禁則」を分けて明示
- 出力形式は 見出し構造まで指定
- 長すぎず短すぎない(500-2,000字が目安)
良くない Instructions
- 「優秀なアシスタントとして」「最高の品質で」のような 抽象表現のみ
- 「以下の例を参考に」と例を 書かずに終わる
- 役割・形式・禁則が 混在して書かれる
セクション4: Knowledge の活用
Knowledge は このGPTが参照する資料 を登録する欄だ。最大20ファイルまで添付できる(2026-05時点・OpenAI 仕様変更があり得る・取得日: 2026-05-20)。
登録すべき資料
- 社内用語集・略語集
- 自社製品の機能カタログ
- よくある問い合わせ(FAQ)と回答
- ブランドガイドライン
- 過去の優良成果物(議事録テンプレ・提案書テンプレ)
登録してはいけない資料
- 顧客の個人情報を含むファイル
- 未公開の財務情報
- パスワード・APIキーが書かれたファイル
- 法的にNDAで縛られている資料
Knowledge に登録された資料は GPTを使う他者に間接的に開示される リスクがあるため、登録前に必ずレビューする。
Knowledge と Instructions の使い分け
| 項目 | 配置先 |
|---|---|
| 行動原則(短く・常に効かせる) | Instructions |
| 用語集(必要なときに参照) | Knowledge |
| 出力形式テンプレ(必ず守る) | Instructions |
| 過去の事例(参考までに) | Knowledge |
「絶対に守らせたいルール」は Instructions に、「参照されればよい情報」は Knowledge に置く。
セクション5: Actions の概要
Actions は GPTから外部APIを呼び出す 機能だ。例えば、社内システムのAPIを叩いてデータを取得したり、CRMに登録したりできる。
ただし Actions は 設計と運用が高難度 で、本コースの範囲を超える。本モジュールでは概念のみ紹介する。
Actions でできること
- 自社システムから最新データを取得して回答
- Slackにメッセージを送信
- Google Calendarに予定を登録
- 社内CRMから顧客情報を取得
Actions を使うべきか
「ChatGPTの応答を読んで、ユーザーが手作業で外部システムに転記する」運用で当面回せるなら、Actions は不要だ。 手作業の頻度と工数が大きくなってから 検討する。
セクション6: 公開範囲とセキュリティ
GPTには3つの公開範囲がある。
| 範囲 | 用途 |
|---|---|
| Only me | 自分専用 |
| Anyone with the link | リンク共有のみ |
| Public | GPT Store に公開 |
業務利用での推奨
- 機密情報を含む業務GPT → Only me
- チーム内共有 → Anyone with the link(リンクをチーム内ドキュメントに記載)
- 一般公開して他者の参考に → Public(機密情報を完全に除去してから)
よくある事故
- 公開設定で社内テンプレを GPT Store に流出
- Knowledge に顧客リストを登録したまま公開
- Instructions に社内情報を書き込んで共有
これらは 公開前のレビュー で防げる。「明日公開する」と決めたら、必ず別の同僚に 公開範囲設定と Knowledge / Instructions の中身 を確認してもらう。
セクション7: 実例 - 議事録要約GPT
最後に、実際に作れるレベルのCustom GPT例を示す。
設定例
Name: 議事録要約アシスタント
Description: 録音ファイル・文字起こしから、当社フォーマットで議事録を生成します。
Instructions:
# 役割
あなたは当社の議事録作成専用アシスタントです。
ユーザーが添付する音声ファイルまたは文字起こしテキストから、
当社標準フォーマットで議事録を生成します。
# 必ず守ること
- 当社標準フォーマットを厳守する
- 発言者は実名で残す(伏字にしない)
- 数字・固有名詞・期日は原文を最優先で引用
- 推測の補足は禁止
# 標準フォーマット
## 会議名
## 日時
## 出席者
## 議題(箇条書き)
## 決定事項
## 宿題事項(担当者・期日付き)
## その他メモ
# 禁則
- 議論されていない論点を補完しない
- 出席者の発言を要約しすぎない(重要な発言はそのまま残す)
Knowledge:
- 過去の優良議事録3件(テンプレ学習用)
- 社内用語集
Conversation Starters:
- 「音声ファイルを添付するので議事録にしてください」
- 「文字起こしを貼るので、標準フォーマットで整えてください」
このレベルのGPTを 業務単位で3-5個 作って運用すると、ChatGPT利用の効率が一気に変わる。
まとめ
- Custom GPTs は 業務テンプレをアプリ化する 機能
- GPT Builder の Create / Configure を使い分ける
- Instructions は役割・必須事項・禁則を 構造化して書く
- Knowledge には公開しても問題ない情報のみを登録
- Actions は手作業が限界に来てから検討
- 公開範囲は Only me から始め、慎重に広げる
- 業務単位で3-5個のGPTを作ると効率が劇的に上がる
次のモジュールでは具体的な業務活用シナリオを体系的に扱う。