Custom GPTs(自分専用ChatGPT)を作る

30分中級〜上級

このモジュールで学ぶこと

  • Custom GPTs の仕組みと業務での価値
  • GPT Builder の使い方
  • Instructions(指示書)の書き方
  • Knowledge(参照ファイル)の運用
  • Actions(外部連携)の概要
  • 公開範囲の設定

学習目標

  • 業務テンプレを Custom GPT として保存し、毎回プロンプトを書き直す手間をゼロにする
  • 社内資料を Knowledge に登録し、専用アシスタントを作れる
  • 公開範囲を正しく設定し、機密情報を守れる

目次


セクション1: Custom GPTs とは何か

Custom GPTs は 特定用途に特化したChatGPT を自作できる機能だ。

出典: Wikipedia "ChatGPT" Custom GPTs & GPT Store(取得日: 2026-05-20・URL: https://en.wikipedia.org/wiki/ChatGPT

なぜ業務で価値があるか

通常のChatGPT利用では、毎回プロンプトを書く必要がある。同じ業務を週5回やるなら、 同じ前提と指示を週5回書く ことになり、無駄が大きい。

Custom GPT を作れば、

  • 前提(業種・会社情報・用語集)を 1回登録すれば永続適用
  • 出力形式・トーンも 保存される
  • 同僚に共有すれば 同じ品質で再現 できる

これは「テンプレートをアプリ化する」のに近い感覚だ。

業務での代表的な用途

用途具体例
議事録要約録音ファイルから定型フォーマットで議事録生成
メール下書き業種・トーンに特化した営業メール生成
競合分析添付資料 → 当社観点での分析レポート
FAQ応対社内資料を参照して回答する社員向けアシスタント
コードレビュー自社のコーディング規約に沿ったレビュー
採用面接準備募集要項から質問リストを生成

セクション2: GPT Builder の起動

手順

  1. 左サイドバーの「GPTs」をクリック
  2. 「+ Create」をクリック
  3. GPT Builder の画面が開く

GPT Builder は2画面構成だ。

エリア役割
左: Create / ConfigureGPTの設定(対話形式 or 直接入力)
右: Preview実際の動作確認

Create タブと Configure タブ

  • Create: ChatGPTと対話しながらGPTを作る(初心者向け)
  • Configure: フィールドを直接入力する(中上級者向け)

最初は Create で1つ作ってみて、慣れたら Configure で細かく調整する流れが効率的だ。


セクション3: Instructions の設計

Instructions は このGPTの行動原則 を書く欄だ。実質的に「永続プロンプト」として機能する。

推奨構造

# 役割
あなたは「〇〇」専用のアシスタントです。
〇〇業界の〇〇歳ペルソナに向けて、〇〇を支援します。

# 必ず守ること
- 出力は日本語のだ・である調
- 専門用語は初出時に日本語で説明
- 機密情報を求める質問には応じず、安全な扱いを促す

# 出力形式
- 構成: ## 結論 / ## 根拠 / ## 次のアクション
- 文字数: 800-1,500字

# 禁則
- 推測表現(〜と思われる など)の使用禁止
- 出典のない数字の引用禁止
- 顧客名・固有名詞の創作禁止

設計のコツ

  • 役割を 具体的なペルソナレベル で書く
  • 「必ず守ること」と「禁則」を分けて明示
  • 出力形式は 見出し構造まで指定
  • 長すぎず短すぎない(500-2,000字が目安)

良くない Instructions

  • 「優秀なアシスタントとして」「最高の品質で」のような 抽象表現のみ
  • 「以下の例を参考に」と例を 書かずに終わる
  • 役割・形式・禁則が 混在して書かれる

セクション4: Knowledge の活用

Knowledge は このGPTが参照する資料 を登録する欄だ。最大20ファイルまで添付できる(2026-05時点・OpenAI 仕様変更があり得る・取得日: 2026-05-20)。

登録すべき資料

  • 社内用語集・略語集
  • 自社製品の機能カタログ
  • よくある問い合わせ(FAQ)と回答
  • ブランドガイドライン
  • 過去の優良成果物(議事録テンプレ・提案書テンプレ)

登録してはいけない資料

  • 顧客の個人情報を含むファイル
  • 未公開の財務情報
  • パスワード・APIキーが書かれたファイル
  • 法的にNDAで縛られている資料

Knowledge に登録された資料は GPTを使う他者に間接的に開示される リスクがあるため、登録前に必ずレビューする。

Knowledge と Instructions の使い分け

項目配置先
行動原則(短く・常に効かせる)Instructions
用語集(必要なときに参照)Knowledge
出力形式テンプレ(必ず守る)Instructions
過去の事例(参考までに)Knowledge

「絶対に守らせたいルール」は Instructions に、「参照されればよい情報」は Knowledge に置く。


セクション5: Actions の概要

Actions は GPTから外部APIを呼び出す 機能だ。例えば、社内システムのAPIを叩いてデータを取得したり、CRMに登録したりできる。

ただし Actions は 設計と運用が高難度 で、本コースの範囲を超える。本モジュールでは概念のみ紹介する。

Actions でできること

  • 自社システムから最新データを取得して回答
  • Slackにメッセージを送信
  • Google Calendarに予定を登録
  • 社内CRMから顧客情報を取得

Actions を使うべきか

「ChatGPTの応答を読んで、ユーザーが手作業で外部システムに転記する」運用で当面回せるなら、Actions は不要だ。 手作業の頻度と工数が大きくなってから 検討する。


セクション6: 公開範囲とセキュリティ

GPTには3つの公開範囲がある。

範囲用途
Only me自分専用
Anyone with the linkリンク共有のみ
PublicGPT Store に公開

業務利用での推奨

  • 機密情報を含む業務GPT → Only me
  • チーム内共有 → Anyone with the link(リンクをチーム内ドキュメントに記載)
  • 一般公開して他者の参考に → Public(機密情報を完全に除去してから)

よくある事故

  • 公開設定で社内テンプレを GPT Store に流出
  • Knowledge に顧客リストを登録したまま公開
  • Instructions に社内情報を書き込んで共有

これらは 公開前のレビュー で防げる。「明日公開する」と決めたら、必ず別の同僚に 公開範囲設定と Knowledge / Instructions の中身 を確認してもらう。


セクション7: 実例 - 議事録要約GPT

最後に、実際に作れるレベルのCustom GPT例を示す。

設定例

Name: 議事録要約アシスタント

Description: 録音ファイル・文字起こしから、当社フォーマットで議事録を生成します。

Instructions:

# 役割
あなたは当社の議事録作成専用アシスタントです。
ユーザーが添付する音声ファイルまたは文字起こしテキストから、
当社標準フォーマットで議事録を生成します。

# 必ず守ること
- 当社標準フォーマットを厳守する
- 発言者は実名で残す(伏字にしない)
- 数字・固有名詞・期日は原文を最優先で引用
- 推測の補足は禁止

# 標準フォーマット
## 会議名
## 日時
## 出席者
## 議題(箇条書き)
## 決定事項
## 宿題事項(担当者・期日付き)
## その他メモ

# 禁則
- 議論されていない論点を補完しない
- 出席者の発言を要約しすぎない(重要な発言はそのまま残す)

Knowledge:

  • 過去の優良議事録3件(テンプレ学習用)
  • 社内用語集

Conversation Starters:

  • 「音声ファイルを添付するので議事録にしてください」
  • 「文字起こしを貼るので、標準フォーマットで整えてください」

このレベルのGPTを 業務単位で3-5個 作って運用すると、ChatGPT利用の効率が一気に変わる。


まとめ

  • Custom GPTs は 業務テンプレをアプリ化する 機能
  • GPT Builder の Create / Configure を使い分ける
  • Instructions は役割・必須事項・禁則を 構造化して書く
  • Knowledge には公開しても問題ない情報のみを登録
  • Actions は手作業が限界に来てから検討
  • 公開範囲は Only me から始め、慎重に広げる
  • 業務単位で3-5個のGPTを作ると効率が劇的に上がる

次のモジュールでは具体的な業務活用シナリオを体系的に扱う。

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